発達に遅れがある娘が通常学級へ通うことになった経緯を、本紙の「声」欄で紹介したのは3年前。丹羽恵美さん(51)の長女・輝来(きらら)さん(11)は、5年生の今も通常学級で学んでいる。休日には、診療所で言語訓練を受けたり絵を習ったりして、自ら表現する力を伸ばしているという。
「今日は何に乗ってきた?」。言語聴覚士が尋ねると、輝来さんは手元のタブレットに表示された自動車のアイコンにタッチした。タブレットから「車」と音声が出た。続いて「紙を切るときに使うのはどれだ?」の質問。輝来さんが触れたタブレットから「はさみ」と音声が再生された。
障害児就学 悩んで通常学級へ 小学校教員 丹羽恵美(愛知県 47)
小学2年の娘は成長するにつれて発達に遅れが目立ってきた。障害があるため、保育園や小学校では日常生活を支える職員をつけてもらっている。通う予定の小学校の先生方と1年以上前から定期的に話をした。支援学級を希望すれば1人のクラスだ。娘は、保育園でみんなと一緒に過ごす生活が普通だった。友だちが大好きだ。だから、1人のクラスに入れることは、娘を苦しませることになると思い、通常学級を希望した。学校側からは、支援学級へと言われたが、思いを伝え、通常学級に通うことになった。介助職員は一日中付くわけではないが、寄り添ってくれる人がいる安心感はある。自治体独自の放課後学級でも介助職員がついてくれている…(2019年1月16日、「声」欄投稿要旨)
言葉を話せない輝来さんは、名古屋市天白区にあるクリニック「あいち診療所野並」で月数回、言語訓練を受けている。訓練ではタブレットのアプリを利用している。食べ物や乗り物などを描いた複数のアイコンが登録されており、触れると音声が出る。担当の言語聴覚士・尾川真菜さんによると、輝来さんは遊びやゲーム感覚の訓練などを通し、最近は平仮名を覚え始めている。
丹羽さんによると、輝来さん…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル