「こんな大金はおかしい」とコンビニの客を説得し、電子マネーカードを使った詐欺を未然に防いだとして福岡県警東署は2日、ローソン奈多1丁目店のオーナー山本みつ子さん(72)に感謝状を贈呈した。
9月22日午前、福岡市東区の女性(79)の携帯電話に、「ご利用料金の確認がとれておりません」とのショートメッセージ(SMS)が届いた。女性が連絡先として書かれていた電話番号にかけると、NTTファイナンスの社員をかたる男から約30万円を電子マネーカードで当日中に支払うよう言われた。
女性はコンビニで5万円まで入金できる電子マネーカード6枚を手に取り、レジで現金30万円の入金を頼んだ。対応した山本さんは事情を聴き、「携帯料金でこんな大金になるのはおかしいですよ」と諭した。女性の携帯電話がずっと通話中になっていたことも気になった。電話を切るよう促しても女性は「切らないでと言われている」と渋った。山本さんは詐欺を確信。再度説得して電話を切らせ、110番通報した。
18年間コンビニで働き、詐欺を未然に防いだのは初めて。「大切なお金を守れてほっとしました」。山本さんのほおが緩んだ。
NTTファイナンスによると、同社をかたる詐欺に関する相談が全国の窓口で相次ぎ、特に6月は前月比で4~5倍の相談が寄せられたという。5月からホームページで「不審なSMSが届いても無視してください」と注意喚起している。(川辺真改)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル