連休と育休重ね「そうじゃないから」 男性取得100%めざす地銀

 北都銀行秋田市)は、男性従業員が育児休業を柔軟に取得できる雰囲気の醸成に努めている。5月12日には、働き方改革コンサルティングの株式会社ワーク・ライフバランス(東京)が提唱する「男性育休100%宣言」に賛同を表明した。働きやすい企業風土の構築により、妻子など家族の生きやすさをめざす。

 同行は2015年、育休取得開始から5日間を有給化する制度を導入。女性以外の従業員にも、子どもが生まれたら育休を取るよう周囲から促す取り組みを始めた。毎年、妻の出産によって家族が増える男性従業員が20人前後いるといい、18年以降、対象者全員の育休取得が実現している。

 ただ、取得期間はいずれも5~10日程度で、1カ月以上休んだ人はいない。

 同行人事管理室は「山形県の地銀で、同じフィデアホールディングス傘下の荘内銀行では、育休を2カ月取った男性がいる。当行でも1カ月以上の取得を制限するつもりはない」とする。今春の大型連休に合わせて育休を申請し、自分の周囲に及ぶ影響を減らそうとした男性がいたが、同室が「そういうことじゃないから」と差し戻し、別の時期に取得するように求めたという。

 同室は、育休への理解を進めるため、新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いたら、新生児を初めて家族に迎える男性従業員が育児経験の豊富な先輩パパと交流し体験談を聞いたり、相談したりできる機会を設けることを検討している。

 男性育休100%宣言は、男性が育児休業を取得しやすい環境の実現に経営者として関与することを明示するためのもの。これまでに自治体を含め全国130以上の団体が宣言した。

 ワーク・ライフバランス社によると、産後1年未満の女性の死因の1位は自殺。産後うつのピークは産後2週間から1カ月で、妻の孤独な育児が幼児虐待の要因の一つになっている。これらをデータで示した結果、夫の育休取得が妻や子どもを救うことにつながると理解する経営者が増えてきたという。佐藤仁彦

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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