逮捕の事務局長「座り込み」参加 発端はトリエンナーレ

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山下寛久、小林圭 山本知佳

 2019年8月に開幕した国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」。昭和天皇を含む肖像群が燃える映像作品や、慰安婦を表現した少女像などに抗議が殺到し、脅迫めいたメッセージも送られたため、企画展は3日間でいったん中止が決まった。

 今回の大村秀章愛知県知事に対するリコールも、これがきっかけだった。

 河村たかし名古屋市長も、展示を「日本人の心を踏みにじる」などと強く批判。さらに、「血税でやるのはいかん」と、芸術祭実行委員会の会長で、公費を投じた大村氏にも矛先を向けた。大村氏は「表現の自由」を重視し、展示の可否を公権力が判断することは「検閲になる」と反論。実行委メンバーでもある市が負担金を払わなかったため、県側が提訴する事態に発展した。

 署名集めの初日だった昨年8月25日。リコール運動団体を設立し、会長を務めた美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長は、愛知県庁前で「県民の税金を県民の喜ばない方向に使っている」と訴えた。応援に駆けつけた河村氏は「引き金は名古屋市を訴えたことだ」と述べた。

 運動団体の事務局長に就いた田中孝博容疑者(59)も、企画展の再開に抗議した河村氏の「座り込み」に加わるなど、抗議活動に参加していた。かつて旧新進党に所属した元愛知県議で、河村氏が代表を務める地域政党減税日本から立候補し、落選したこともある。次の衆院選には日本維新の会から立候補することが決まっていた。

事務局長「予定通り署名が集まらず、焦った」

 しかし、ボランティアら複数の運動関係者によると、田中容疑者が仕切る事務局は当初からもたついていたという。電話回線が1本しかなく、署名集めを担う「受任者」への用紙の発送も遅れた。ある関係者は「数十万の署名を扱うのに、これで大丈夫かと思った」と振り返る。

 それでも、高須氏は署名を提…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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