少年院や刑務所を出ても行き場のない人を一時的に引き受ける自立準備ホームの全国組織、一般社団法人「日本自立準備ホーム協議会」が設立された。立ち上げに尽力して代表理事に就いたのは、逮捕歴15回の元非行少年、高坂朝人さん(38)。目指している「加害も被害も減らすための再犯防止」には、何が必要なのか。
――どうして非行少年や出所者の立ち直りにかかわるようになったのですか。
「僕は広島市の出身ですが、13歳で非行に走り、14歳で暴走族に入りました。窃盗や集団暴走、金庫破りなどをして少年院に2回入りました。それでも、まじめになろうとは思えず、21歳からは暴力団の準構成員をしていました。逮捕歴は計15回にのぼります」
「24歳のとき、彼女(今の妻)が妊娠し、このままの生活を続けていたら子どもは不幸になると思ったんです。それで、つてのない名古屋に彼女と逃げました。10日ほど車中生活をした後、車を売ってアパートを借りました。いくつか詐欺まがいの仕事をした後、生活のために特別養護老人ホームで介護の仕事に就きました」
「当時は、世の中はお金が全てだと思っていて、人を踏み台にして自分が成り上がることばかりを考えていました。特養で働こうと思ったのも、高齢者が増える社会だから、ビジネスでもうけるならこれからは高齢者介護だと思っていました」
そんな高坂さんが再非行防止に取り組み始めたきっかけや、現場の実情や苦労、全国組織を作った理由とは。ロングインタビューの終盤では、自身の経験も踏まえ、本当に更生に必要なものは何かについて語っています。
「でも、そこで価値観が変わ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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