週末だけの旅するパン屋 自称「食いしん坊」がたどりついた生活

 白壁の町屋建築が並ぶ通りを抜けると、穏やかな青い海と瀬戸大橋が視界に飛び込んできた。

 「ああ、こんな素敵なところで、おいしいパンを食べたいなあ」

 「食いしん坊」を自称する岡山市出身の武田昌子さん(48)は、ふとそう思った。

 2013年、瀬戸内国際芸術祭でアート作品を見に本島(香川県丸亀市)を訪れた時のことだ。しかし当時、島にパン屋はなかった。

 「じゃあ、自分で作ろうか」。島への移住はそんな思いつきから始まった。

 釣りスポットや瀬戸芸の舞台として知られている本島は、人口270人ほどの静かな離島だ。

 3年後の9月。島の東部、笠島地区の海辺の空き家をリノベーションして、「honjima bakery」をオープンさせた。

 海を望む2階の窓際に、焼き…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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