たたく、大声で怒鳴る、顔にペンで落書きする――。全国各地で園児への「不適切保育」が次々と明らかになっている。しかし現状では不適切保育の基準も、正確な実態をつかむ仕組みもない。自治体からは人手不足など職場環境の改善が必要との声もあがる。
横浜市は2月、市内の認定こども園で2021年に保育士が園児のあごをつかむなどの不適切な保育があったとして文書で指導した。
この園については、保護者から不適切保育の通報があり、市が21年10月に立ち入り調査をしていた。さらに同12月には園の関係者が市側に不適切な保育の様子を撮影した動画を提示した。だが、この時点では市からこの件に関する指導文書は出なかった。
市が再び動いたのは今年2月。同じ動画の提示を受けたことがきっかけだ。映っていた保育士と園児を特定し、園に改善を求める指導をするに至ったという。市の担当者は「最初に動画の提示を受けた際の情報共有などが不十分だった」と話す。
元園児の保護者の一人は「そもそも不適切保育とはどういうものか、調査にあたる市や区の担当職員が共通の認識を持っていないことが問題なのではないか」と指摘。「認可する以上、市には園を監督・指導する責任があるはずだ。不適切保育の基準を共有し、相談や通報があった場合はしっかりと調査をしてほしい」と話す。
不適切保育、国も実態把握できておらず
不適切保育については、国と…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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