運賃箱から300万円着服、市バス乗務員免職 「罪悪感で」メモ残す

谷辺晃子

 市バスの運賃の一部を着服したとして、兵庫県伊丹市交通局は16日、乗務員の男性(54)を懲戒免職処分にしたと発表した。約3年4カ月にわたり運賃箱を不正に操作して現金を抜き取り続け、被害総額は約300万円にのぼるという。

 市交通局によると、乗務員は2020年10月ごろから今年1月28日までの間、路線バスの運賃箱にある操作パネルの「ベルト停止」部分をタッチ。投入された現金がベルトを通って金庫へ落ちるのをストップさせて、運行中や終点到着時に取り出して制服のポケットに入れていたという。

 1月27日、乗客から「乗務員が不審な動きをしていた」と市交通局へ通報があって発覚。市交通局がドライブレコーダーを確認し、指摘通りの動きが映っていた。

 翌28日の聞き取りで、乗務員は着服を認めた。「クレジットカードの返済が多く、それに充てたかった」と説明しているという。

 乗務員は着服した日付や人数の一部を記したメモを残しており、市交通局の調べに「罪悪感のようなものがあり、自分の罪を記録しておかないといけないと思った」と話したという。

 乗務員は勤続10年6カ月で、遅刻や無断欠勤もなく、無事故だった。

 運賃は大人210円、子ども110円で、乗車時に支払う。交通系電子マネーの普及で、現金での支払いは全体の10~15%程度という。

 着服は1日平均13人分程度で、2800円ほどだったが、1万円近いときもあった。市交通局は、着服金をすべて弁済していることなどから刑事告訴は見送る方針。(谷辺晃子)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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