虐待の相談が増え続けている。全国の児童相談所(児相)への虐待の相談件数は2021年度に過去最多を更新。虐待への問題意識が浸透してきたことが背景にある。一方、一時保護をせざるを得ない子どもも増えており、自治体の施設では抱えきれない事態が続いている。
兵庫県は7カ所の児相で、児童虐待や障害、非行などに関する相談を受け付けている。神戸市や同県明石市が独自で設置する児相を含め、県全体で受け付けた相談を分析すると、虐待についての相談は21年度9412件。11年度の2272件から大きく増え約4倍となっていた(グラフ参照)。
兵庫県だけではない。大阪府内の児相で受け付けた虐待についての相談は21年度2万2557件で、10年間で約2・5倍になった。
厚生労働省によると、全国の児相への虐待の相談件数は右肩上がりが続き、15年度に10万件を突破。21年度は20万7660件で過去最多を更新した。
内訳をみると、増加しているのは「心理的な虐待」だ。大声や脅しによるもののほか、目の前で家族が暴力を振るわれることでダメージを負う「面前DV」も原因だ。心理的な虐待が全体に占める割合は、11年度は約3割だったが、21年度には約6割に達した。
虐待の相談をもちかけている…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル