新型コロナウイルスの感染拡大を受けて安倍晋三首相が開いた記者会見は3月28日で3回目でした。過去2回は、フリージャーナリストの江川紹子さんが声を上げても質問機会を与えられなかったり、会見を閉じようとする司会者に報道陣が反発して延長したり、何かと異変が起きましたが、今回はどうだったのでしょうか? そもそも首相会見は誰が参加することができ、質問者はどのように指名されるのでしょうか。政府関係者や、官邸取材経験のあるメディア関係者らに聞きました。
場所は首相官邸1階
海外や地方など遠隔地に行っている場合を除き、首相会見が開かれるのは首相官邸1階にある会見室です。菅義偉(よしひで)官房長官が記者会見を開くのもこの場所です。
壇上に向かって椅子が並べられていて、ここに記者が座り、後方にテレビクルーや新聞・通信社などのスチールカメラが陣取ります。官邸報道室の担当者は、「会場には常時104席が並べられています。注目会見などで椅子が足りなくなった場合にはさらに増やすこともできます」と話します。
最初に質問する「幹事社」って?
会見を見ていると、首相が冒頭発言を行った後、質疑の初めに「幹事社から質問をどうぞ」と司会からアナウンスされる場面を目にします。この「幹事社」、多くの人にとって馴染みのない言葉ではないでしょうか。
「幹事社」とは、内閣記者会(通称:官邸記者クラブ)に所属する新聞社・テレビ局・通信社など大手報道機関の中で、取材や会見での官邸側との折衝などの窓口になる、取りまとめ役のことを指します。各社が月ごとに持ち回りで担っている役割で、各省庁や都道府県庁や各自治体の警察本部など、記者クラブがあるところには同様の制度があります。
会見冒頭の質問は「代表質問」と呼ばれ、幹事者が事前に内閣記者会に所属する各社の質問希望を集約した内容です。同記者会に出入りする30代の男性記者によると、「代表質問は、記者クラブ内に張り出されることがあり、『こんな質問でいこうと思います』と書かれていました。時々によって変わりますが、会見の前日までには記者会にいる人は内容を分かっています」と話します。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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