高齢化が進み、若い世代が減り続ける自治体では、地元出身ではないIターンの若者が役場の職員になることが少なくない。土地に縁もゆかりもない「よそ者」の公務員が、自治体の業務だけではなく、後継者不足の伝統行事を支える。そんな山あいの町を昨秋、訪ねた。
11月下旬となると、愛知県東北部の山間地・奥三河地方は冷え込む日が増える。まして深夜ともなれば、吐く息も白い。それでも東栄町足込(あしこめ)の古い小屋の中は熱気にあふれていた。
奥三河では、晩秋から冬にかけて地区ごとに「花祭」が開かれる。国の重要無形民俗文化財にも指定されている伝統行事で、湯を沸かすかまどの周りで夜を明かして舞い続ける。
高齢化率は6割超、20代は3人
足込の花祭は、昨年11月23日から24日にかけてあった。「テーホヘテホヘ」。かけ声に合わせ、扇を手に舞う男女。そこへ「がんばれ岸!」の声が飛んだ。
拡大する花祭で一力の舞を披露する岸知之さん(中央)と伊藤拓真さん(左)=2019年11月23日午後11時44分、愛知県東栄町足込、宮沢崇志撮影
日付が変わるころ、「一力(い…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル