開祖・道元が鎌倉時代に建てた曹洞宗の大本山永平寺(福井県永平寺町)。厳しい修行の地として知られるが、一般の人を対象に、坐禅(ざぜん)、食事、朝のおつとめ(読経)などを体験できる「一泊参禅」がある。道元が中国で身心脱落を得た時の年齢は26歳。それと同年齢で「異教徒」である記者が参加した。
昨年12月中旬、午後3時に集まった9人の参加者は、雲水(修行僧)から説明を受けると、さっそく禅堂に連れて行かれた。
まず、坐禅の姿勢を教えられた。「結跏趺坐(けっかふざ)」と呼ばれる基本形は、両足を反対の太ももに乗せる形だ。両手はへその前に置き、手のひらを重ねて親指同士をつける「法界定印(ほっかいじょういん)」を組む。体は壁に向かい、目は開いたまま斜め下を見つめ、呼吸を意識することを学んだ。鐘が鳴り、部屋が暗くなると開始となる。
「無になろう」。そう考えていても次第に意識は足に向く。足がしびれる。痛いというよりも、血が通っていないかのように感覚が無い。足が腐るんじゃないか――本気で心配した。
【動画】禅の里、福井県の曹洞宗大本山永平寺で「一泊参禅」=マハール有仁州、永平寺撮影
禅や食事を通じて知った大切なこと
後ろには警策(きょうさく)…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル