東京都は、住民らがスマートフォンで道路の損傷や不具合を撮影し、投稿する道路通報システムを一部エリアを対象に試行している。住民目線の細やかな情報を生かした道路管理を進めるための取り組みで、令和4年3月31日までを予定している。今後、対象エリアを拡大し、スマホを活用した通報システムの効果を検証する。
都は巡回点検などを通じて道路の状況を確認し、電話・ファクスでも住民の情報を受け付けてきた。ただ、電話・ファクスでは情報の内容や、現場の状況を把握するのに一定の時間がかかるケースもあるといい、住民が手軽に画像とともに情報を伝達できる道路通報システムの試行を2月5日に始めた。
試行対象は品川区と葛飾区の都道のほか、葛飾区の協力を得て同区道も加えた。都によると、このシステムでは東京大が中心となって開発した市民投稿アプリを使用。スマホのカメラ、GPS(衛星利用測位システム)を活用して通報する仕組みで、住民らが道路の損傷や不具合を撮影、通報すれば、行政側が画像と位置情報を把握できる。
行政側は「対応中」「対応済」などの表示とともにコメントし、補修後の画像などを投稿するため、通報者らは行政の取り組み状況を把握できる。アプリを東京大などと共同で開発した「ジオリパブリックジャパン」(千代田区)によると、千葉市、和歌山県がこの通報システムを運用している。
「マンホールの横に穴ぼこ」。2月23日には葛飾区に関する通報があり、同区は現場で舗装の剥離(はくり)を確認して補修を実施した。補修後の画像とともに「今後とも情報提供をよろしくお願いします」などとコメントした。
同区によると、3月5日時点で投稿は29件あり、順次内容を確認して必要な対応を講じているという。区の担当者は「現場に行く前に画像で道路状況を把握できるため、効率的に対応できる」と話している。
アプリの利用方法などは都建設局のサイト(https://www.kensetsu.metro.tokyo.lg.jp/jigyo/road/kanri/gaiyo/shikou.html)に記載されている。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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