河野光汰、華野優気
違法なわいせつDVDの販売店と知りながら、大阪市浪速区の雑居ビルの部屋を貸して賃料を受け取っていたとして、大阪府警はビルの実質的オーナーで会社役員、酒井秀次容疑者(54)=同市西区江戸堀1丁目=を、わいせつ電磁的記録媒体有償頒布目的所持幇助(ほうじょ)と組織犯罪処罰法違反(犯罪収益収受)の疑いで逮捕し、5日発表した。容疑を認めているという。
府警によると、違法DVDの販売をめぐって貸主側が逮捕されるのは異例という。登記簿によると、ビルは8階建て。「西の秋葉原」と呼ばれる同市浪速区日本橋の一角に立つ。府警はビルに入るDVD店全5店舗を6月5日に家宅捜索し、DVD約78万枚を押収。同日、店の責任者ら計17人を著作権法違反容疑などで逮捕していた。
生活安全特別捜査隊によると、逮捕容疑は2021年12月~22年5月、自らが実質的に所有する同区のビルの部屋を無修整のわいせつDVD販売店に貸し、家賃など計約180万円を受け取ったなどというもの。ビルは、20年9月まで酒井容疑者が代表を務める法人名義だったが、現在は妻が代表の法人が所有しているという。
今年6月の家宅捜索前から、AVメーカーなどでつくるNPO法人「知的財産振興協会」(東京)の担当者らが何度もビルを訪れ、酒井容疑者らに違法DVD販売の疑いがあると警告。府警は、酒井容疑者が違法性を認識しながら部屋を貸していたと判断した。
府警は10月4日、前回の家宅捜索後に新たに開店した店をわいせつ電磁的記録媒体頒布容疑で家宅捜索し、DVD約3万5千枚などを押収。従業員の男2人をわいせつ電磁的記録媒体有償頒布目的所持容疑で現行犯逮捕した。(河野光汰、華野優気)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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