山本知佳
終戦の日の15日、名古屋市東区の愛知県女性総合センター(ウィルあいち)で、県戦没者追悼式があった。新型コロナウイルスの影響で、参列者は約200人と、例年の4分の1ほどだった。
遺族代表として追悼の言葉を述べた安城市の渥美南枝(なみえ)さん(80)は、2歳になる前に父親の光男さんを亡くした。陸軍兵士として太平洋ガダルカナル島で戦死したという。生まれた時にはすでに父親は出征。存在を感じられたのは、遺影と、父親が名付けた「南枝」という名前だけだった。
渥美さんは追悼の言葉で、「父はまだ見ぬ子をどう思い描いてくれたのでしょう」と語り、「1日でもいいです。帰って来てください」と訴えた。今後自分たちができることとして「深い感謝の気持ちを持ち続け、厳しい戦禍を後々の世にも伝えていくことだと思います」と述べた。
尾張旭市の遺族代表として参列した伊藤三春さん(80)は、父親が沖縄戦で亡くなったという。「国のために、いや応なしにかり出されたんだと思う」と声を震わせて話した。これまで、沖縄の慰霊祭にも参加してきた。子どもや孫にも、父親が戦死したことは、繰り返し伝えてきた。「今後も平和を守るために、伝えていきたい」。コロナが落ち着けば、孫と沖縄へ慰霊の旅にも行きたいという。
県によると、参列者の平均年齢は77・6歳。参列者の約2割が、戦後生まれだったという。(山本知佳)
砂上の国家 満州のスパイ戦 – プレミアムA
1932年、中国・東北部に建国された「満州国」。 その満州国 をめぐり、日本とソ連はスパイ戦を繰り広げました。 1960年代初めに収録された、旧日本陸軍の元将校らの証言録音を改めて分析。 その攻防に迫りました。
【ドキュメンタリー】砂上の国家 満州のスパイ戦
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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