快速電車が脱線して乗客106人と運転士が死亡し、乗客562人が重軽傷を負ったJR宝塚線(福知山線)脱線事故から25日で17年たった。現場の追悼施設「祈りの杜(もり)」では3年ぶりに追悼慰霊式が営まれ、遺族らが祈りをささげた。
式は新型コロナウイルスの影響で2020年、21年は中止されていた。
この日は式に先立ち、事故発生時刻の午前9時18分に、JR西日本の長谷川一明社長らが、電車の衝突跡が残る現場マンションの遺構に向かって黙禱(もくとう)した。
9時50分から始まったJR西主催の式には244人が参列した。長谷川社長は「お詫(わ)びと追悼のことば」として、「この事故を風化させることはない。『組織全体で安全を確保する仕組み』『安全最優先の風土』の構築に向けた取り組みを積み重ねてきたが、さらに高い水準を目指す必要がある。安全性向上の取り組みを一歩一歩着実に進めていく」と述べた。中山展宏国土交通副大臣も参列した。式の模様は遺族らに向けてオンライン中継された。
長男の吉崇さん(当時31)を亡くした菅尾美鈴さん(73)=神戸市東灘区=は式に参列した。式が中止された昨年も、どうしても手を合わせたくて現場に来ていたという。「何年経ってもあの日のことがよみがえる。今でも信じられない気持ちです」と話した。
「祈りの杜」は快速電車が衝突した9階建てマンションの一帯に18年に開設され、19年から追悼慰霊式はここで営まれている。マンションは1~4階が階段状に残されている。
今年は一般献花の時間もあり、25日午後5時半~6時半に「祈りの杜」で受け付ける。(松永和彦、岩本修弥)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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