日浦統
【北海道】自分の死後、残っているお金は世の中のために使ってほしい――。遺言書で遺産を公益法人などに寄付する「遺贈寄付」が注目されていることから円山動物園(札幌市)は20日、寄付の手続きを円滑化するための協定を北洋銀行と結んだ。
同園への遺贈寄付の申し出は年数件あるが、手続きが煩雑で対応に苦慮していた。「終活」への関心の高まりから今後増加が見込まれるため、協定に踏み切った。市民から同園に寄付の申し出があった場合、北洋銀を相談先として紹介。同行は寄付者の意向に沿って信託銀行などを紹介する。
昨年6月、市は「生物多様性の保全」と「動物福祉」を活動目的に掲げる動物園条例を全国に先がけて制定し、寄付金を積み立てる「動物園応援基金」も設置した。遺贈寄付は同基金に積み立てて、野生動物の保全活動や獣舎の改修の費用に活用する仕組み。
円山動物園の神賢寿園長は「活動にはお金がかかる。収入の過半を寄付金が占める海外の動物園を参考にしていきたい」。北洋銀の安田光春頭取は「SDGs(持続可能な開発目標)の観点からもお客様の遺贈寄付のニーズは今後、増えるだろう」と話す。(日浦統)
有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル