山岸玲、南島信也
住宅を次々とのみ込んだ静岡県熱海市の土石流。発生した場所は、火山灰などが堆積(たいせき)する土砂災害の危険性が高い斜面だった。梅雨末期に降り続いた雨により、避難指示が出ないまま、大規模な土石流が発生したとみられる。
東海や関東の太平洋側では6月末から梅雨前線の活動が活発化し、降雨が断続的に続いていた。
土石流が発生した静岡県熱海市伊豆山に近い同市網代の観測地点では、発生直前の3日午前10時までの48時間雨量が300ミリに迫り、7月としての観測史上最多を更新。平年の7月の1カ月間の総雨量(242・5ミリ)を超える雨が48時間で降った。ただ、この間、1時間に30ミリ以上の「激しい雨」は観測されず、強い雨とやや強い雨が繰り返されながら蓄積されていったのが特徴だ。
市は土石流が発生する1日前の2日午前10時、大雨の危険度に応じて避難情報を5段階に分けた警戒レベル3の「高齢者等避難」を出した。避難所などへの移動に時間がかかる高齢者らに避難を促す情報だ。
2日午後0時半には、危険な場所にいるすべての住民に避難を求める「避難指示」(レベル4)に相当する土砂災害警戒情報が気象台と県から発表されたが、避難指示は出さなかった。
市が「緊急安全確保」(レベ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル