避難指示地域の窃盗、後絶たず 事故当時のまま残る児童の私物も被害

 東京電力福島第一原発事故で避難指示が出た地域での窃盗が後を絶たない。福島県警によると、原発事故で避難指示が出た10市町村では、2011年の1026件に比べ、昨年は114件と大幅に減ったが今なお続く。今月、大熊町の帰還困難区域内の小学校に侵入し、児童の服などを盗んだ疑いで男が逮捕された。県警は帰還困難区域などの警戒を強化している。

 刑事総務課によると、原発事故で避難指示が出た南相馬市小高区や飯舘村、双葉署管内(広野、楢葉、富岡、大熊、双葉、浪江各町、川内と葛尾両村)での刑法犯認知件数は11年は1133件で、うち1026件は窃盗だった。その後は減少傾向が続き、昨年は、刑法犯認知件数は153件でうち114件が窃盗と、刑法犯認知件数の大半を窃盗が占める。

 今月6日には、大熊町の帰還困難区域内にある町立熊町小学校(現在は閉校)の校舎に昨年5月下旬~今年2月上旬ごろ侵入し、児童の服やかばんなどを盗んだとして、郡山市のアルバイト従業員の30代男が建造物侵入と窃盗の疑いで逮捕された。

 熊町小は福島第一原発から約4キロ南に位置し、帰還困難区域内にあることから現在も立ち入りが制限されている。校舎内にはランドセルや教科書など児童の私物が現在も事故当時のまま残っている。町は今回の事件を受け、校内への立ち入りを禁じるロープを張る対策を実施した。

 地元の住民からは困惑の声が…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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