避難民に働く場を、新橋にウクライナ料理店 「おいしい」は心の支援

 ウクライナから戦火を逃れて避難してきた人たちに働く場を提供しようと、東京・西新橋にウクライナ料理店が開業して3カ月になる。店の名前は「スマチノーゴ」。ウクライナ語で「おいしく召し上がれ」という意味だ。現地風の料理や接客を通じて避難民と客が触れ合い、支援の輪が広がればとの思いが込められている。

 オフィス街のビル2階。20席の明るい空間は、ウクライナ国旗にちなみ青と黄であしらわれた壁の色が印象的だ。日本人シェフのもとで、ウクライナの女性スタッフ数人が常時働いている。

 オーナーは、都内在住で俳優や美術家として活動するTAKANEさん(本名・江副敬子〈たかね〉)。欧州に何年も住んだことがあり、日本に避難してきたウクライナの人々の暮らしが気になった。

 「避難が長期化して手持ち資金に限りがある中、働きたくても仕事がなかなか見つからないと聞きました。言葉があまり障害にならずに人と接する仕事を提供できないかと、飲食店を思いつきました」

 春から物件を探し始め、国内の避難民が集まるSNS経由でスタッフを募集。避難民7人を含むウクライナ人9人を雇った。

 ただ、TAKANEさんはウクライナとの縁はなく、「ボルシチがウクライナ料理だとは知りませんでした」。自身も含め、客の大半を占める日本人の口に合い、通ってもらいやすいメニューにしたいと考えた。

 知り合いの京都の料理人に和食のだしを使った味付けのレシピを相談し、和風とウクライナ風の融合を目指した。壁の色も、青と黄の反対側は日の丸の赤と白。日本とウクライナの融合、両国の友情を願ってのデザインにした。

 9月の開業時のランチは、ロ…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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