豪雨被災地の避難所生活でエコノミークラス症候群などの循環器疾患が発症する恐れがあるとして、日本循環器学会は7日、新型コロナウイルスにも注意した予防策をとるよう呼びかける声明を出した。
足を動かしづらい避難所生活では、足の血管内にできた血のかたまり(血栓)が流れて肺の血管に詰まるエコノミークラス症候群が起きやすく、胸の痛みや息苦しさを感じ死亡することもある。
声明では、血栓予防のため1日1リットル以上の水分をとるよう推奨。ただ、新型コロナの感染防止のため飲食物は人と共有せず、マスクを外した後は手洗いや消毒を徹底するよう求めた。
一方、今夏は、避難所の「3密」を避けて車中泊する被災者が増えることも想定される。長時間足を下げて過ごす車中泊は健康な人もエコノミークラス症候群を発症することがある。
このため、日本静脈学会は6日に車中泊避難者向けの予防方法をサイトで公開。シートを倒して足を伸ばして寝たり、できるだけ歩いて足を動かしたりすることを推奨。足首を前後にぱたぱたと動かす運動も紹介している。
日本循環器学会常務理事の野出孝一・佐賀大学教授は「大雨が続いて避難生活が長引く恐れもあり、体調管理の参考にしてほしい」と話す。
それぞれのサイトは次のとおり。
◆日本循環器学会(https://www.j-circ.or.jp/)
◆日本静脈学会(https://js-phlebology.jp/wp/wp-content/uploads/2020/07/syacyuhinann.pdf)(竹野内崇宏)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル