避難路は「けもの道」 2年前の熊本豪雨教訓、村民が選んだわけは

 2年前の熊本豪雨で、球磨川流域で最多の犠牲者が出た熊本県球磨村。各集落で15日、避難訓練が実施された。そのうちのある集落が避難路に選んだのは「けもの道」。なぜ「けもの道」だったのか。

 「全員そろった? 途中、滑りやすいところもあるから気をつけて。じゃ、峯(みね)にむかって前進!」

 入所者14人が亡くなった特別養護老人ホーム「千寿園」にほど近い球磨村渡(わたり)の島田集落。小高い丘の上にある公民館に集まった住民14人を、隣の峯集落から救助に来た自主防災組織の地下(じげ)一郎会長(62)らが峯公民館に誘導する。避難について自ら考える機会にと村が昨年定めた「全村民が避難について考える日」の訓練の一コマだ。

 丘のすぐ下には国道219号と旧道が走るが、そこは通れないことにした。

 2年前が実際そうだった。小川の水があふれ、JR渡駅の方から球磨川本流の濁流も押し寄せて、平地はほぼ浸水。水は高さ5メートルの所にまで迫った。

 その時、島田集落の住民が逃…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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