23日に投開票された那覇市長選は、前副市長の知念覚(さとる)氏(59)が、玉城デニー知事ら「オール沖縄」勢力が支える前県議の翁長雄治(たけはる)氏(35)を破って初当選した。沖縄には、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画をめぐって生まれた「オール沖縄対自公政権」の対立構図がある。8年間各種選挙で続いてきたが、今回の結果はオール沖縄のあり方に見直しを迫るものと受け止められ、対立構図も変容していく可能性がある。
辺野古移設ノーを旗印とするオール沖縄は、保守系の故翁長雄志氏が市長から知事に転じたときに掲げた。今回は故翁長氏の市長時代の側近だった知念氏を自民、公明が支援し、故翁長氏の次男をオール沖縄が支える一騎打ち。故翁長氏の後継の城間幹子市長は、知念氏支持にまわり、玉城知事と対峙(たいじ)する波乱の展開となった。
一夜明けた24日朝、県庁に登庁した玉城知事は硬い表情のまま、報道陣の取材に応じ「結果は結果。真摯(しんし)に受け止める」と語った。
1月の名護市に始まった沖縄の選挙イヤーを締めくくる県都の選挙での勝利に、自民党は沸いている。24日に党本部であった役員会で茂木敏充幹事長は「(市長選)7連勝を飾ることができた。復帰50周年を迎えた沖縄のさらなる発展に向け政策の推進を図っていきたい」と報告した。
森山裕選対委員長は23日夜、当選確実が報じられた後、知念氏から電話を受け、「よくがんばった。来年度予算は大変だろうが、自民党、公明党はきちんと応援する」と今後の連携を約束。党幹部は那覇市長選の結果を「国政選挙にむけても悪くない」と好影響となるとの見方を示した。
「オール沖縄対自公」の構図…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル