その文面に込められていたのは、リーグ戦出場がかなわなかった4年生部員の悲痛な思いだった。
「大麻をやっていない部員がなぜ活動停止処分を受け、リーグ戦参加が許されないのか。怒りと失望しかない」。取材に応じた部員は、記者に宛てたショートメールにそうつづった。
部員から活躍の場を奪った重い処分の決定は本来、大学側の明確な意思決定のもとで判断されるべきものだ。事実を積み上げ、更生に向けた教育的配慮も行き届かせなければならない。
ところが、二転三転したアメフト部の処分からは、配慮が感じられなかった。第三者委は「連帯責任」を科した活動停止処分やその解除の判断について、「学生・部員の心身の健康という視点や倫理観の向上という視点で対応に当たってこなかった」と断じた。
8月5日に大麻取締法違反容疑などで部員1人が逮捕された事件について、日大は当初、「個人の犯罪」と断定し、部全体に科した活動停止処分をわずか5日で解除した。「競技に真剣に取り組んできた多くの学生の努力を無に帰することになる」として、連帯責任を問わない姿勢を示した。だが、前提としていた根拠はすぐに覆る。
同22日に学生寮で2度目の家宅捜索が行われ、複数の部員が任意で取り調べを受けた。日大は「もはや個人の犯罪にとどまるところではない」とし、再び活動停止処分に。10月には2人目の部員が逮捕された。
朝日新聞が入手した8月下旬…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル