部指導や親の苦情…疲れ果てて逝った先生、「労災」認定

 和歌山県立高校の男性教諭(当時32歳)が2009年に自殺したのは、民間の労働災害にあたる「公務災害」だったと地方公務員災害補償基金和歌山県支部の審査会が認めたことがわかった。災害補償基金県支部が17年に自殺を「公務外の災害」として遺族の請求を退けていたが、それを覆す逆転裁決となった。

「逆転」裁決

 審査会の裁決は今年9月27日付。請求人代理人の松丸正弁護士は今回の逆転裁決について、「長時間労働、部活動のしんどさ、親とのトラブルなど、教員が現実に抱えうるいくつもの問題が総合的に評価された。特に、自宅に持ち帰った仕事の作業時間を時間外勤務時間として考慮した点は、教員の長時間労働の問題を考えるうえで意義がある」と話す。

 05年に教員に採用され、和歌山県中部の県立高校で08年春から教諭を務めていた九堀(くぼり)寛さんは、うつ病を患い、翌09年10月に自殺した。

放課後も土日も

 裁決書などによると、九堀さんは理科教員などとして勤務する傍ら、野球部の部長に就任。県高校野球連盟の役員の仕事もこなしつつ、08年9月からは監督も兼ねた。放課後は練習が夜まで続き、土日はバスを運転して練習や試合に生徒を引率した。長時間労働や休日出勤が続いた。

 部の運営の負担は重かったが、…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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