部活、何のために あり方をめぐる議論が見落としているものは

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聞き手・田中聡子 聞き手・富田洸平

耕論 部活、何のために

 部活のあり方が見直されている。先生の負担を減らすため、学校外に委ねたり移したりする動きも進む。そもそも、部活って何のためにあるのだろう。見直しをめぐる様々な視点とは。

数少ない「生徒が選べるもの」 高橋健一さん(高校吹奏楽部顧問)

 さまざまに部活が議論されていますが、僕には大切な視点が欠けているように見えます。「学校ってなんなんだ」「人間ってなんなんだ」という根本の議論をせず、部活動だけを取り出して考えているからです。

 今の学校教育の最大の問題は、生徒が選べることがあまりにも少ないことだと思っています。担任を選べない、時間割は決まっている、学ぶ内容も決められている。自分で選んでいないことを、朝から夕方までやっています。自分で選ぶという経験をしなければ、自分の頭で考えなくなってしまう。今は、強制されている勉強だけで自分の価値が決まるかのような感覚を、生徒に与えてしまっています。

部活は何のためにあるのか。記事後半では、小説家の額賀澪さんとスポーツ社会学者の中澤篤史さんが、自身の体験や歴史的経緯をふまえ、部活のあり方をめぐる議論に一石を投じます。

 僕は、人間が生きていく上で…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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