東京都環境基本計画の改定に関する案を都環境審議会がまとめ、8日、都に答申した。太陽光発電設備についての数値を約1・5倍にするなど現計画の目標を上方修正した。都が検討している新築建物への太陽光パネル設置義務化についても答申。新計画をもとに、都はパネル義務化などの施策を推し進める考えだ。
基本計画は都環境基本条例に基づいて都がつくる。温暖化対策や生物多様性の保全など環境施策の方向性を示している。今の計画は2016年に作られたもので、温暖化対策を加速させたい都の意向を受けて環境審が昨年5月から改定案を検討していた。
答申は、ロシアのウクライナ侵攻による原油価格の高騰を受け、社会活動の継続には「脱炭素化」の必要性が一層鮮明になったと指摘。「2050年のあるべき姿」として、二酸化炭素(CO₂)量を削減し、森林などによるCO₂吸収も加味して排出量を実質ゼロにする「ゼロエミッション」の実現を掲げた。
その中期目標として、30年時点での指標を示した。項目は温室効果ガス排出量、エネルギー消費量、再生可能エネルギーの利用割合、フロン排出量などで、このうち太陽光発電設備の導入量は、今の「130万キロワット」という目標を「200万キロワット以上」に変更した。20年度の実績は約65万キロワットだった。
土地狭い都内、屋根の上を活用へ
再エネ普及に関して答申が推奨するのが太陽光だ。大規模な太陽光発電設備に適した土地は少ないが、建物の屋根に取り付ける余地は大きいとした。
都の調査では、日照量からみ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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