都内の感染者、大半が若者 医師会は高齢者への拡大警戒

 東京都内で3日、新型コロナウイルスの感染者が124人確認された。100人を超えるのは2日連続となる。今後の動向が懸念されるが、注意が必要なのは、単純に感染者数が増えることではなく、感染経路が追えない人と重症者の割合の増加だ。

 都内の6月の感染者の7割は、20~30代。60代以上は1割ほどだった。

 ただ、3日の会見で小池百合子知事は「荒川区の高齢者施設内で感染がみられる」と明かした。2日の都の緊急会見に出席した都医師会の猪口正孝副会長は「このまま広がっていくと、たぶん若年者だけではおさまらない」と危機感をにじませ、続けた。「患者の年齢層が変わるだけで、医療の需要がかなりのスピードで変わる可能性はある」

 高齢者が新型コロナに感染すると、重症化しやすい。その理由を日本老年医学会理事長の秋下雅弘・東京大教授は「肺や心臓の機能が低下していることが多く、感染すると、人工呼吸器を着けるなど高度な医療が必要になる割合が高い。また、多くの高齢者に糖尿病や高血圧などの持病があることや、発熱や呼吸困難などの症状に気づきにくく、診断が遅れることがあるため」と話す。

 では高齢者はどのような注意をすればいいのか。

 秋下さんは「マスク、手洗い、感染リスクが高い場所に行かないことを徹底し、感染者と濃厚接触しなければいい。感染リスクをゼロにしようとすると、逆に健康を損ねることがあるので過度に恐れすぎないほうがいい」と語る。(編集委員・辻外記子


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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