16日午前5時40分ごろ、大阪府吹田市千里山霧が丘の千里山交番前で、この交番に勤務する府警吹田署地域課の古瀬鈴之佑(こせ・すずのすけ)巡査(26)が包丁で複数箇所を刺された。古瀬巡査は意識不明の重体となり、実弾5発入りの回転式拳銃が奪われた。府警は強盗殺人未遂事件として吹田署に捜査本部を設置。捜査関係者によると、東京都内に住む男(33)が関与した疑いが強まったとして逮捕状を請求する方針を固め、行方を追っている。
府警によると、事件前の午前4時13分~同5時1分、交番の周囲を歩き回る不審な男が8回、交番の防犯カメラに写っており、府警は画像を公開。捜査関係者によると、同日午後、大阪市内の警察署に「防犯カメラの男に息子が似ている」と届け出があった。息子とみられる男は東京都品川区在住の33歳で、14日から、現場の交番から約2キロ離れた同市内のホテルに宿泊していたという。
この男の勤務先の関係者によると、男は昨年11月から勤務していたが、今月11日から体調不良を理由に休んでいた。15日には「体調が良くなってきているので25日くらいから復帰しようと思う」と連絡があった。
府警によると、古瀬巡査は防刃(ぼうじん)チョッキを着ていたが、左胸に包丁が刺さった状態で見つかった。複数の傷があり、傷は肺を貫通し心臓まで達していた。拳銃をつなぐひもの留め金具が外されていた。
大阪市内では28、29日に20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)が開かれる予定で、多数の警察官が警戒を強めている最中だった。
千里山交番は阪急千里線千里山駅前にあり、当時は警察官3人が勤務。16日午前5時28分、隣の関大前駅ホームにある公衆電話から空き巣被害があったと110番通報があり、上司2人が先に出動後、古瀬巡査が1人で出ようとしたところを襲われたとみられる。空き巣被害は確認されず、府警は虚偽通報とみている。
防犯カメラの男は身長170~180センチ。黒っぽい上着にキャップ帽、メガネ姿だった。同日午前9時すぎには、現場近くのイオン北千里店で右手に血の付いた男が衣服などを購入しており、関連を調べている。吹田市の隣にある大阪府豊中市の北大阪急行電鉄緑地公園駅近くのカメラにも似た男が写っていた。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース