海辺で繁殖するウミネコがここ数年、東京都心のビル街で増えている。都や区などによると、約10年前に台東区のビルの屋上で営巣が確認されて以降、周辺の墨田区や江東区、中央区に広がる。都市環境になじんでしまったのか――。研究者も首をかしげている。
「ミャー、ミャー」。中央区の日本橋地区で今月上旬、ビルの間をウミネコが滑空する姿が見られた。緑化されたビルの屋上には、30~40羽が集まっていた。
600メートルほど離れた所では数年前、春から夏にかけ、朝夕に100羽ほどが群がる日が続いたという。住民の中村タカ子さん(85)は「鳴き声がうるさいし、家の前の道がふんで白くなった」と話す。多賀谷里紗さん(43)は「朝4時に目が覚め、洗濯物も外に干せなくて困った」というが、「道路でヨチヨチ歩きのヒナを見たら、『がんばれ』って皆で応援してしまった」と苦笑した。
ウミネコは全長約45センチ、翼を広げると120センチほどになるカモメの仲間。海辺の岩礁や島などで春から夏に群れて繁殖する。青森県八戸市の蕪(かぶ)島などは繁殖地として国の天然記念物に指定されている。
都や研究者によると、199…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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