東京都知事選(6月18日告示、7月5日投開票)をめぐり、自民党が再選出馬が確実視される小池百合子知事の支援のあり方を決めかねている。都知事選と同日に投開票される都議補選で、小池氏が特別顧問を務める地域政党「都民ファーストの会」と自民都連が対決する可能性があるためだ。都連は競合が回避されない限り、小池氏の支援は難しいとの考えを示している。
「釈迦(しゃか)に説法だが、『全力を尽くして新型コロナウイルスとの戦いに勝利するよう頑張ってください』と申し上げた」
自民党の二階俊博幹事長は3日、党本部で新型コロナ対策について小池氏と意見を交わした後、2人そろって記者団の取材に応じ、こう語った。都知事選に関するやり取りがあったのかという問いには、互いに「特になかった」と口をそろえた。
その後、小池氏は女性政策推進に取り組む議員連盟「女性議員飛躍の会」の共同代表を務める稲田朋美幹事長代行らと面会。二階氏はこれにも同席し、小池氏との蜜月ぶりをアピールした。
自民党は既に独自候補の擁立を見送っているため、都知事選の対応は小池氏の推薦か支持、自主投票の3通りが想定される。もっとも、二階氏は早くから旧知の仲である小池氏の再選を後押ししてきた経緯があり、要請があれば推薦する構えだ。小池氏も新型コロナ対応との名目で自民幹部の元に足しげく通い、再選に向けて着々と足元を固めてきた。
しかし、都民ファーストが1日付で都議補選北区選挙区(欠員1)に元タカラジェンヌの天風いぶき氏の擁立を決めたことに対して、都連からは反発の声が上がっている。ある幹部は「補選で都民ファーストと戦うことになる中、知事選で小池氏を応援するのは矛盾する」と強調。「このままでは都連の仲間に筋の通った説明をするのは難しい」と話す。
党本部は事前に都連から相談を受け、小池氏に調整を求めてきたが、小池氏は3日の二階氏との会談後、党幹部に「擁立しないよう都民ファーストを説得したがダメだった」と伝えた。
都連内には、小池氏と親しい二階氏の調整力に期待を寄せる声も少なくないが、都連重鎮は小池氏との関係改善は困難と指摘した上で、都知事選の見通しをこう語った。
「たとえ『小池支援』でいくことになっても、一枚岩で戦うことは心情的に無理だ」(広池慶一)
Source : 国内 – Yahoo!ニュース