東京都議会は8日、2018年度の政務活動費(政活費)の収支報告書や支出に伴う領収書の写しを公開した。各会派や議員が使った総額は7億673万円で、全体の半分近い3億2860万円が「広報紙発行費」にあてられた。金額も支出割合も前年度分より増えた。政活費の使い道に厳しい目が注がれるなか、無難な「広報頼み」の傾向が顕著になっている。
「『子育てファースト』家計負担を軽減!」「保育の無償化へ都の支援策を大きく強化」
小池百合子知事が特別顧問を務める地域政党「都民ファーストの会」の都議団は3月、都の19年度予算を紹介するB4サイズほどの広報紙を約300万部発行した。待機児童の減少など都の取り組みもアピールしており、印刷や新聞折り込みにかかった費用計2518万円を政活費から支出。1月にも2558万円を支出したほか、各議員がつくる広報紙にもそれぞれ1回あたり数十万円ほどをあてており、広報紙発行費は計1億6621万円と支出の57%を占めた。
小山有彦政調会長は「都政を身近に知ってもらうため、広報紙は大事なツール」と説明。選挙向けの広報とならないよう、議員の自己PRなどは記載していないという。
小池氏と対立する都議会自民が発行した広報紙には、「都政の私物化にNO!!」「小池知事『思いつき』『パフォーマンス』『突然の撤回』こんなにあるの!?」と批判が並ぶ。18年度は、支出の22%にあたる2974万円を広報紙発行費に使用。このうち今年3月には2108万円を支出し、約240万部を発行した。公明も支出の52%にあたる6501万円を使用。共産も「都議団報告」と称した広報紙などに支出の46%の4775万円をあてた。
政活費は都議1人あたり月50万円(16年度までは60万円)が支給される。選挙や政党活動には使えないが、都民に都政を伝えるための広報紙の作成や送料に使うことはできる。
支出に占める割合は年々増えており、15年度は33%で2億8397万円だったのが、18年度は47%で3億2860万円に上った。
政活費をめぐっては、各地で不…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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