酒造り、農業、観光… 豪雪地帯でマルチワークを可能にしたのは

 新潟県に県境を接した山あいにある山形県小国町。ここで、ある日は部品工場で、ある日はストーブ店で働くなど、複数の仕事に携わってくらす移住者がいる。マルチワークを可能にしているのは、町の事業者が設立した事業協同組合だ。

 石村瑠理さん(30)は同町の部品製造業「荒川興業」の工場で週3日働く。

 「作業に没頭してこつこつ進められるところが、自分に合っています」

 町内のストーブ店では週2日、展示イベントの手伝いやペレット燃料の発送準備をしている。

 石村さんは、二つの事業所に直接雇用されているわけではない。「おぐにマルチワーク事業協同組合」(おぐマル)の職員で、組合から各事業所に派遣されている。

 2021年11月、おぐマルの取り組みを知り、町に移住した。現在の職場で働く前には、ガソリンスタンドの店員や酒造会社で日本酒仕込みの補助をしたことも。「一つではない世界が見られて、色んな経験ができる。毎日が新鮮です」

 小国町は全国有数の豪雪地帯。愛媛県出身の石村さんは、初めての冬には雪の多さに驚いた。

 一方、おかずや農作物を近所で分かち合うお裾分け文化があり、温かさを感じるという。

 「町外から来た人もたくさんいて、町の人との関わりも深い。マルチワークをしながら、色んな人と関わって、小国らしい文化に触れたい」と話す。

 おぐマルは、IターンやUターン者と雇用契約を結び、組合員からの仕事を複数組み合わせて、1年を通じて働けるようコーディネートしている。

 本人の希望に合わせて仕事や…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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