横浜最大の歓楽街・伊勢佐木町に隣接する福富町付近で、酩酊(めいてい)した客が飲食店員とATMに行き、多額の現金を引き出される被害が多発している。神奈川県警伊勢佐木署によると、身に覚えのない支払いの相談は今年に入って急増し、被害総額は計約1億4700万円で、昨年1年間の2倍に迫る勢いだ。新型コロナウイルスが5類に移行して初めての忘年会シーズンを前に、県警は警戒を強めている。
スナックや外国料理店、風俗店などが立ち並ぶ横浜市中区福富町。早朝、両脇を女性に支えられた泥酔客がコンビニでお金をおろし、コインパーキングや歩道に置いていかれる。
こうした光景を、福富町町内会の小島正男副会長(75)ら住民は何度となく目撃し、110番通報してきた。小島副会長は「警察が駆けつける頃には女性たちの姿はない」と話す。
「身に覚えのないカード決済があった」「コンビニで多額の金が引き出されたが、記憶がない」
福富町周辺で今年、飲食後の被害を伊勢佐木署に相談した客は11月23日までに249人、被害総額は1億4739万円に上った。昨年1年間の148人、総額約7500万円から急増している。1人あたりの被害額も昨年の約50万円から今年は約60万円へ上がり、200万円超の人もいた。
被害者の大半は、隣接する飲食街の野毛や関内で飲んで流れてきた人たちだ。
「ロシア、フィリピンいろいろある。どれがいいですか?」。深夜、路上に立つジーンズ姿の女性らが近づき、誘うという。
捜査関係者によれば、英語の「水先案内人」などが由来とみられる「パイラー」と呼ばれる客引きで、知り合いの店に連れて行き、客が支払った金額の半額を取り分として得ているという。
県警は今年、違法な客引きや客待ちをした疑いで17人を逮捕。大半がパイラーだ。以前から活動していたが、新型コロナの行動規制の緩和で人通りが増えたことで、活動も活発になったとみられる。
店からアルコール度数90度超の酒
客が連れていかれた中国パブ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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