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全国では、新型コロナウイルスの重症者数が25日から34人増えて410人となり、過去最多を更新しました。東京都の重症者数も25日から6人増えて60人。60人以上となったのは緊急事態宣言が出されていた5月11日以来となります。有識者を交えた東京都のモニタリング会議では、感染状況を示す警戒度を先週に引き続き『最高レベル』としました。その一方で、医療提供体制の警戒度は4段階中、上から2番目の『体制強化が必要であると思われる』に据え置かれました。しかし、専門家は危機感を示しています。
国立国際医療研究センター・大曲貴夫センター長:「このまま増え続ければ、通常の医療が圧迫される深刻な状況となる。予定されている手術といったものが受けられなくなると、そういう状況がくる」 現在、東京のコロナ入院患者1626人に対して、ベッドは2640床。まだ、空きがあるようにも見えますが、すべてがすぐに使える状態ではありません。また、入院などで、受け入れ先の調整が難しい事例も報告されています。都庁に設置されている入院調整本部には、連日、150件を超える依頼が舞い込んでいました。
東京都医師会・猪口正孝副会長「日・祝祭日は受け入れ可能な病床数が少ない状況が続いており、軽症例は平日に入院を持ち越す事例が発生した。さらに、今週は平日でも中等症以上の入院調整が難航するなど、病院の受け入れ態勢が、厳しい状況になっている」 感染者の増加とともに、ホテルなどで療養する人の数も増えてきています。この状況に悲鳴を上げているのが、消毒業者です。療養ホテルの消毒は、協会に所属する26の事業者が請け負っています。以前、ある業者への依頼は週に1~2件程度だったといいますが、今では一日4件、それが毎日、続いているといいます。
『ヨシダ消毒』清水一郎社長:「依頼がいつ来るかわからない状態で対応するには限界がある。体力的にも、精神的にも」 感染を防ぐためにはどんな対策が有効なのか。スーパーコンピュータ『富岳』による新たなシミュレーションが発表されました。9人が入室したカラオケボックスで、マスクをせずに歌い始めると、すぐに飛沫が拡散していき、30秒ほどで、部屋全体に行き渡りました。一方、マスクをして排気口の下で歌った場合は、室内への飛散が、大分、減ります。
理化学研究所・神戸大学の坪倉誠教授:「マウスガードやマスクをつけることは、かなり感染リスクを下げる効果がある。さらに換気口の下で歌うとエアロゾル(空気中の粒子)が抜けていくので、部屋全体に広がることも防げる」
タクシー車内でのシミュレーションは、意外な結果となりました。窓を閉め切った状態と2カ所の窓を開けた状態で比べてみると、車内に漂う飛沫の量にほとんど違いがありませんでした。
研究グループによると、感染予防のためには、エアコンを外気モードにしてマスクをした方が、効果は高いとしています。 東京では28日からカラオケ店で午後10時までの営業時間、短縮要請が始まります。愛知県の大村知事は、29日からの20日間、名古屋市内の繁華街の一部で、酒類を提供する飲食店などを対象に時短営業を要請すると発表。北海道の鈴木知事は、27日までとしていた集中的な対策期間を来月11日まで延長し、札幌市内全域で、接待を伴う飲食店に休業を要請することを決めました。
菅総理:「25日の分科会でも、飲食店の営業時間の短縮が、極めて重要であるとの指摘を受けた。それを踏まえて、札幌市に加え、東京都、大阪市、名古屋市においても飲食店の時短を今週末から行う。時間短縮に協力してくれたた全ての店舗に、国としてしっかり支援をしていきたい。分科会の提言を受けて 各都道府県で早急に病床の確保に務める。感染拡大地域の保健所に派遣をするための、保健師などの専門職について、これまでの倍の1200人確保した。各地の保健所に、しっかり派遣して応援したい。こうした対策を先ほど3大臣に指示した また、分科会でも指摘されているように、この3週間が極めて重要な時期とご指摘いただいている。国民の皆さんにおいて、ぜひともマスクの着用、手洗い、そして3密の回避という感染拡大防止の基本的な対策に、ぜひご協力いただきたい」
Source : 国内 – Yahoo!ニュース