All Nippon NewsNetwork(ANN)
30日の新型コロナウイルス新規感染者は午後9時半現在、全国で1437人に上りました。北海道では151人、東京都では311人、愛知県は108人、大阪府では262人など、大都市圏では高止まりの状態が続いています。全国の重症者の数は29日時点で、前日から10人増えて472人と、8日連続で過去最多となっています。東京や大阪などでは、いくつかの指標が最も深刻な段階、感染爆発を示す『ステージ4』に達しています。感染制御が専門の順天堂大学・堀賢教授に話を聞きました。 (Q.北海道や大阪、東京では、重症者の病床使用率が高まっています。どう見ていますか?)
順天堂大学・堀賢教授:「本当に危機的な状況になっていると言えます。特に医療提供体制に関しては重症例を中心にひっ迫しています。頼みの綱の大阪コロナ重症センターは看護師が不足していて、厳しい状況です」 東京都が発表している重症者数は70人ですが、国が発表している東京都の重症者は250人としています。数字が違う理由は、東京都と国の基準が違うためです。東京都は「人工呼吸器またはECMOを使用している患者」を重症者としています。一方で、国は東京都の基準に加えて「ICU(集中治療室)などでの管理が必要な患者」を含めています。 (Q.どちらの数字が実感に近いですか?)
順天堂大学・堀賢教授:「国の数字の方が実態にあっていると思います。診断が確定した重症例以外にも、疑い例や、中等症でも数日内に重症化しそうな人もいます。さらに、人工呼吸器をつけていなくても、合併症が出て重症になっている人もいます。そういった人の場合、急変に備えて重症病棟に収容しなければならないことがあります。実態は東京都の公式発表の倍程度はいると、私は現場で感じています」 (Q.東京都では、重症者用病床の確保はうまくいっていますか?)
順天堂大学・堀賢教授:「医療機関に対して病床を増やしてほしいという要請が来月1日以降に出るようですが、日々、重症者は増えているので、追い付くかどうかという問題も出てきています」 (Q.簡単に病床数を増やせない難しさはどこにありますか?)
順天堂大学・堀賢教授:「重症病棟が必要とする看護師の数は、一般病棟の看護師数の約3.5倍必要になります。人員を増やそうとすると、一般病棟のスタッフを引きはがしてこないといけなくなります。つまり、心筋梗塞や脳梗塞など他の疾患の患者さんや、交通事故などに対応できる人員を減らさざるを得なくなります。例え、頭数をそろえられたとしても、重症医療に対応するトレーニングなども必要です。訓練する時間さえ取れないまま実践投入とならざるを得ません。こうした八方ふさがりの状況において、看護師1人あたりがみられる患者の数を見直す対策を、国が検討しているという話もあります。これは一時的に一般病棟から看護師を引きはがす形になるとは思いますが、現場はそこまで追い込まれているということの裏返しでもあると思います。いずれにしても、このまま重症者が増えていけば、今週末には病床が足りなくなりはじめ、来週末の12月11~13日あたりは本当に厳しくなるという予想が出ています」
Source : 国内 – Yahoo!ニュース
Leave a Comment