9日の衆院予算委員会で、立憲民主党などの野党統一会派は、新型コロナウイルスの影響で売り上げが急減した中小企業などに給付する「持続化給付金」の事務委託などの問題を改めて取り上げた。立民などは令和2年度第2次補正予算案には賛成する方向で、予算案の具体的な中身の議論よりも政府の“疑惑”アピールに終始する姿勢が目立っている。 「『電通ダミー法人』の契約不履行ではないのか」 立民の枝野幸男代表は、給付金の事務委託を受けた一般社団法人が電通に再委託したことと支給の遅れを結び付け、こう批判した。 国会最終盤での安倍晋三首相との直接対決の機会だったが、枝野氏は事務委託の問題などを中心に質問。むしろ首相より担当の梶山弘志経済産業相らが答弁に立つことが多かった。 立民の辻元清美氏は、政府の専門家会議の議事録作成をめぐり、「安倍政権は公文書を隠したり、書き換えたり、疑いの目で見られている」と批判した。 これに対し、首相は「(専門家に)自由率直に議論してもらうため、発言者が特定されない形の議事概要を公表する方針を了解してもらい、適切に記録を作成している」と反論。速記録も将来的に公開されると説明した。 野党側は、10兆円の予備費についても10日の予算委で圧縮を求める組み替え動議を出す方向。にもかかわらず、2次補正には共産党以外が賛成する見込みだ。対決姿勢が中途半端なのは、野党も求めていた「雇用調整助成金」の拡充や事業者の家賃支援などが2次補正に盛り込まれている上、編成過程で与党と協議などを行ってきた経緯があるからだ。 そうしたジレンマの中、野党はここに来て17日に会期末を迎える国会の延長を訴え始めた。ヒットしたゾンビ映画ばりに「#国会を止めるな」とツイッターなどでの呼びかけも行っている。「#検察庁法改正案に抗議します」の抗議で改正案の成立見送りに追い込んだ成功体験があるが、国民的な賛同を得る兆しは見えていない。(田村龍彦)
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