厚生労働省が27日に財政検証結果を公表したことを受け、老後資金が年金以外で2千万円必要だとした金融庁金融審議会報告書を糾弾してきた野党は引き続き年金行政の追及を強める構えだ。ただ、少子高齢化時代を生きる国民の受け止めは冷静で、先の参院選でも熱気は高まらなかった。10月召集予定の臨時国会では批判一色ではない「責任野党」の対応が求められる。
「一言で言うと、『膨らまし粉』が効き過ぎている。基礎年金の下支え機能についての提言もまったくない。国会論戦で提言していきたい」
「ミスター年金」と呼ばれる立憲民主党の長妻昭代表代行は27日、国会内で開かれた年金問題に関する野党合同ヒアリングでこう述べ、財政検証に不満を示した。野党は「老後2千万円問題」を含め年金問題について攻勢を強める方針だ。
ただ、7月の参院選直前に産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が行った合同世論調査では、選挙で「金融審議会報告書への政府対応を考慮するか」について55・2%が「考慮しない」と答えた。
立民は参院選で「年金の最低保障機能の強化」を主張し、医療や介護の自己負担を世帯ごとにまとめ、所得に応じて上限を設ける「総合合算制度」の導入も掲げた。しかし与党が大勝した参院選を見ても、多くの有権者は共感しなかった。年金問題への対応は、「批判か提案か」の野党の路線問題にもかかわってくることになりそうだ。(中村智●(=隆の生の上に一))
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