東京都知事選(18日告示、7月5日投開票)をめぐり、れいわ新選組の山本太郎代表の出馬が再浮上し、主要野党に波紋が広がっている。山本氏が立候補すれば、野党の支持層が分断され、再選を目指す小池百合子知事に有利に働く可能性があるからだ。都知事選には日本維新の会も参戦しており、結果は次期衆院選にも影響を与えそうだ。 「都知事選には誰が立候補してもいいわけだから、私がとやかく論評するのはいかがなものかと思う」 立憲民主党の福山哲郎幹事長は12日、記者団に山本氏の出馬の可能性について問われ、こう突き放した。 主要野党は当初、都知事選を次期衆院選に向けた共闘の試金石と位置づけ、統一候補の擁立を目指していた。だが、最終的に立民、共産党、社民党が無所属で出馬する元日弁連会長の宇都宮健児氏の支援で足並みをそろえた一方、国民民主党は自主投票を決め、対応が割れた。 有力な野党統一候補として、立民も一時擁立を検討したのが山本氏だ。関係者によると、山本氏はれいわの公認候補としての出馬にこだわったが、野党勢力の結集を目指す立民が拒否。交渉過程で、山本氏も「『消費税5%減税』を受け入れれば無所属で出馬する」と折れたが、立民は「党内手続きが間に合わない」と認めなかった。 出馬を見送ったかに見えた山本氏だが、11日に「フィフティ(50%)だ」と立候補の可能性に言及したことで、立民などは神経をとがらせている。山本氏は昨夏の参院選比例代表で個人で99万票以上を獲得した知名度があり、支持層を奪われかねないからだ。 立民関係者は「山本氏は小池知事の回し者か」と憤る。立民の枝野幸男代表は11日、山本氏に近い国民の小沢一郎氏と会談し、宇都宮氏への支援を求めた。 一方、日本維新の会は元熊本県副知事の小野泰輔氏の推薦を決めた。高い政党支持率を武器に衆院選に向け、首都圏で基盤を固める狙いがある。(千田恒弥)
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