国民民主党の玉木雄一郎代表は26日夜、水戸市内のホテルで党茨城県連所属議員と面会し、立憲民主党の枝野幸男代表が国民民主党や社民党などに呼びかけた政党合流の協議状況について説明し、理解を求めた。
県連はこれに先立って常任幹事会を開き、県連代表の浅野哲衆院議員が合流方針について説明した。幹事会後、二川英俊幹事長は記者団に「参院選(の候補者選考)で立憲民主党県連との確執はあるが、合流に関して一定の関係性は築くことができている」と強調した。
一方、玉木氏は26日夕、JR水戸駅前で街頭演説に臨み、「共同会派で臨んだ臨時国会では、『桜を見る会』の疑惑追及や英語の民間試験利用の延期決定など、力を合わせれば政治を変えられるということを見せられた」と合流の意義を訴えた。
演説後、記者団に「所属議員にも賛否両方の意見がある。地方の声も聞きながら協議を続ける」と強調し、期限を区切らずに丁寧な協議を行う姿勢を重ねて示した。(永井大輔)
■県内は立民上回る党勢…「吸収」に忌避感
国民民主党執行部は、野党合流協議で政策のすり合わせを重視し、党内の慎重論にも配慮した「皆が納得できる結論」(玉木雄一郎代表)を見いだす構えだ。ただ、国民民主党の地力が立憲民主党を上回る茨城県では、合流が立憲民主党への「吸収」と映ることへの忌避感は一段と根強く、円満な理解を得るためのハードルは高い。
国民民主党を支援する電機連合が一定の集票力を持つ茨城県は、強い地盤を擁する同党所属地方議員が比較的多い。10月のひたちなか市議選(定数25)では、電機連合に加盟する日立グループ労組出身の現職4人が国民民主党公認で出馬し、いずれも得票数上位10位以内で当選した。当選者の党派別内訳でみると、国民民主党は自民、公明の国政与党をも上回った。
対照的に、同市議選に新人1人を擁立して臨んだ立憲民主党は、かろうじて最下位当選を果たす薄氷の勝利だった。当然、国民民主党側には、地元での党勢は立憲民主党を凌駕(りょうが)しているという自負がある。立憲民主党が思い描く「国民民主党の吸収」という合流方式への反発が他の地域に増して大きいのも無理もない。
茨城県には原発建設も手がける日立製作所の関連工場が多く立地する。立憲民主党が「原発ゼロ」を政策の旗印に据えているのとは対照的に、日立グループ労組の支援を受ける国民民主党は、安全基準を満たした原発に限り再稼働を認めるという立場だ。
国民民主党にとって、原発関連産業に従事する支持者も少なくない茨城県は、合流協議に際し党の理念、政策を堅持する姿勢をひときわ強く示す必要に迫られる地域といえる。玉木氏は26日、水戸市で記者団に「エネルギー政策は重要な論点。今後行うべき協議の一つだ」と強調した。(松本学)
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