能登半島地震の被災者支援のため、登山家の野口健さんと総社市が、石川県七尾市に寝袋を届けるプロジェクトを立ち上げた。同市では2千人以上が家を失い、暖房のない避難所に身を寄せている人が少なくないという。「寝袋一つで助かる命がある」として、企業や一般に広く寄贈を呼びかけている。
野口さんと総社市の片岡聡一市長が5日に会見を開いた。同市は2日に職員3人を七尾市に派遣している。総社市などによると、七尾市では2千人以上が16カ所の避難所に入っている。うち12カ所には暖房設備がなく、「毛布だけではとても過ごせない状況」(片岡市長)という。
野口さんは総社市環境観光大使を務め、2016年の熊本地震では同市と共同で現地でテント村を運営。北海道やトルコで地震が起きたときも連携して支援活動に取り組んできた。野口さんは「寝袋は布団よりも扱いが手軽で熱を逃さない。全てを失った被災者のみなさんにせめて眠れる環境を届けたい」とする。
寝袋は冬用の新品を募集。総社市役所への持ち込みは24時間受け付ける。郵送なら総務課(総社市中央1の1の1、0866・92・8200)へ。また野口さんが代表を務めるNPO法人「ピーク・エイド」のホームページ(https://peak-aid.or.jp/)でも、ネット通販のアマゾンを通じた寄贈を募っており、来週中には届けたいという。片岡市長は「全国の善意と連携して、被災者の居住空間の確保に努めたい」と支援を呼びかける。(小沢邦男)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル