奄美通信員・神田和明
国の特別天然記念物アマミノクロウサギ2匹の死骸が1月、鹿児島県の徳之島に置かれていたノネコ(野生化したネコ)捕獲用のわなの中で見つかった。環境省は「二度と起こらないよう、わなの管理を徹底したい」としている。
同県・奄美大島の奄美市で2月9日にあったノネコ捕獲の検討会で、環境省が報告した。環境省は希少な野生生物を捕食するノネコの捕獲を進めており、徳之島では委託を受けた島の団体がわなを設置している。
わなは入り口を開けて仕掛け、動物が中に入ると入り口が閉まる。クロウサギがかかったのは徳之島町の林道に設置していた2基。雨による林道の崩落などがあり、昨年7月に回収を決めていたが、そのまま残されていたらしい。死骸は2匹とも白骨化した状態で、わなにかかった時期や死因は分かっていない。
同じくノネコを捕獲している奄美大島では定期的にわなを点検し、捕獲作業を終えたわなは回収している。同省は「徳之島ではノネコにわなを慣らすために回収していなかった」と説明した。
同省奄美群島国立公園管理事務所の阿部慎太郎所長は「わなの管理が徹底できなかった。ノネコの効果的な捕獲も含め、わなの管理のあり方を再度、検討したい」と話した。
検討会ではノネコの捕獲状況についても説明があり、2022年度(昨年12月現在)は奄美大島の424・8平方キロの地域で73匹を捕獲。18年度からの総捕獲数は396匹となった。捕獲地域は年度ごとに拡大しており、25年度までに全島に広げ、27年度の低密度化を目標としている。(奄美通信員・神田和明)
有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Leave a Comment