昨夏、3年生の引退後、大阪府岬町立岬中学校の軟式野球部顧問・浜崎聡志教諭(42)は2年生にこう告げた。
「新チームの主将は3人でいくぞ」
2年生は戸口飛鳥君、吉田空峨(くうが)君、大内瑛太君の3人だけ。
誰か1人を主将にすると、主体性や自主性が育ちにくいと考えた。
「今日からは一人ひとりが人任せにせず、責任を持ってチームを引っ張れ」
1年生も合わせて部員はわずか10人。
「層の薄さ」をどうカバーするかが、新チームの課題となった。
バッテリーを組んだのは、投手の大内君と捕手の戸口君。
大内君は誰よりも大きな声でチームを支えた。
「勉強や宿題をきっちりこなしてこそ強くなれる」
そんな信念から、提出物の遅れなどがないよう後輩にも厳しく接した。
後輩たちをフォローするのは、二塁手の吉田君の役目。
「僕は人に厳しくできないから」
10人全員で力、28校の頂点に
やさしい性格で、悩みを吉田…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル