名門野球部に衝撃が走った。複数の部員が大麻とみられる薬物を使用した疑いがあるとして、東海大学は17日、硬式野球部を無期限の活動停止にした。
この日午後に神奈川県平塚市の湘南キャンパスで開かれた記者会見で、山田清志学長と内山秀一教学部長、硬式野球部の伊藤栄治部長の3人は深々と頭を下げた。
冒頭、山田学長は「心よりおわび申し上げます」と謝罪し、「彼らの更生に責任をもって尽力していく」と述べた。
部員は県警の事情聴取を受けている最中で、全容は明らかになっていない。不確かな情報が多い中で会見を開いた理由を問われた山田学長は「こうしたことはできるだけ早くお伝えすべきだと思った」と説明した。秋季リーグ戦中であることも考慮したという。
大麻とみられる薬物を使った場所はグラウンドに併設された野球部寮で、所属部員128人のうち110人が暮らしている。同部は16日まで練習をしており、同日夜、現状説明と今後の対応についてのミーティングを開いたという。
会見には安藤強監督は出席しなかった。処分対象者になる可能性があるためという。山田学長は「もちろん監督も深く反省をし、今後の対応を野球部長と進めていくのは当然のことですので、ご理解をいただきたい」と話した。
野球部の3選手は、26日のプロ野球ドラフト会議に向け、プロ志望届を提出している。指名された場合に予定しているオンライン記者会見は実施するという。(松沢奈々子、斎藤茂洋)
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若年層への大麻の広がりは深刻化している。
警察庁によると、大麻に関連した事件で警察が今年上半期(1~6月)に逮捕・書類送検したのは2261人に上り、過去最多となった昨年の同時期を上回った。特に若年層の伸び率が高く、20歳未満は前年同期の約1・5倍の428人、20代は約1・2倍の1129人。大学生は前年同期から56人増え、116人に上った。
若年層に大麻が広がっているのは、覚醒剤など他の薬物と比べ、SNSや知人を通じて容易に入手でき、安く購入できることなどが要因とみられている。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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