金乱掘の果て、尽きて朽ちても漂う生命感 佐渡島の北沢浮遊選鉱場跡

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文・茂木克信、写真・岩下毅

 聞こえるのは、川のせせらぎ、鳥のさえずり、吹き抜ける風の音。日本海を望む山あいの一角で、朽ちゆく巨大なコンクリートの構造物が、静かな時の流れに身を委ねていた。

 朽ちゆくコンクリートの壁面や柱にツタが絡みつき、雑草が生い茂る。物言わずそびえ立つ廃虚が、不思議な生命感を漂わせている。

 佐渡島新潟県佐渡市)の北西部に残る北沢浮遊(ふゆう)選鉱場(せんこうば)跡。斜面に沿って9層が階段状に連なる。高さ35メートル、広さは東西115メートル、南北80メートルに及ぶ。

 日中戦争が始まった1937年以降、金などの増産が国策となった。同年から佐渡金山に新たに造られた施設の一つが、この選鉱場だった。

 施設では鉱石を細かく砕き、薬品を加えた水槽の中でかき混ぜ、生じた泡に付着した金を含む砂状の鉱石を回収した。回収後は近くにあった大間港から、香川県の直島製錬所へと運んだ。

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 40年、佐渡金山の金産出量…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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