12月20日で廃止される金剛自動車(大阪府富田林市)の路線バスの代替交通が、16日に河南町で開かれた沿線4市町村の地域公共交通活性化協議会で決まった。便数の減少などはあるが、3分の2の路線で運行が継続する。4市町村の財政負担は大きく、オブザーバーで協議会に出席した市町村長は国や府の財政支援を要望。運賃改定も検討課題とする。
金剛自動車の路線バスは近鉄長野線の喜志駅、富田林駅などと富田林市、河南町、太子町、千早赤阪村内を結ぶ15路線(1路線は休止中)。
4市町村は同社の廃止表明を受けて、近鉄バスと南海バスに協力を求めた。両社から「『自治体コミュニティーバス』方式を条件に可能な範囲で協力する」との回答を受け、協議会を設けて検討していた。
乗降客数などから5路線を優先的に残す路線とし、南海バスと近鉄バスに運行を委託。便数が減る路線もあり、朝夕のラッシュ時などに「自家用有償旅客運送」方式などで補完のバスを走らせる。
5路線以外では、北大伴線と石川線は一体的に運行を継続。河内線、白木線、太子中央循環線、畑・平石線も運行を続ける(一部路線変更あり)。富田林循環線(現在休止中)と、白木加納循環線、聖和台循環線、太子線は他の路線に統合するなどして廃止する。
バスの転回スペースなどの問題で便数が大幅に減る地域がある。住民が懸念しているといい、協議会は対応を検討するという。
運行経費など4市町村の財政負担は大きい。4市町村の負担額は、今年度分で約1億5千万円。負担割合は各市町村内のバスの営業距離に応じて決められ、富田林市約6560万円▽河南町約5040万円▽太子町約2640万円▽千早赤阪村約770万円。議会でも財政面などでの持続可能性に懸念の声が出ている。
運賃は金剛自動車時代と変えないが、協議会長の松田貴仁・富田林市副市長は「持続可能性を考えると、運賃改定は課題の一つ」と指摘。今後、値上げが議題に上る可能性がある。(前田智)
優先的に残す5路線の対応
(路線別に運行事業者と運行時間帯、便数を記載)
《千早線》
▽富田林駅―千早赤阪村立中学校前
南海バス=午前6時台~午後8時台に12便
千早赤阪村=午前6時台~午前8時台と午後4時台~午後10時台に計7便
▽千早赤阪村立中学校前―金剛登山口
千早赤阪村=午前5時台~午後8時台に12便
《さくら坂循環線》
近鉄バス=午前6時台~午後7時台に11循環
河南町=午前6時台、午後5時台~午後9時台に計3循環
《東條線》
南海バス(富田林駅―府立こんごう福祉センター間を循環)=午前6時台~午後8時台に12循環
近鉄バス(富田林駅―府立こんごう福祉センター―甘南備―富田林駅)=午前6時台~午前8時台、午後2時台~午後4時台に計4循環
《喜志循環線》
近鉄バス=午前6時台~午後8時台に15循環
《阪南線》
近鉄バス=午前6時台~午後7時台に上り15便、下り14便
河南町=午後5時台~午後9時台に5便
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル