東谷晃平 花野雄太
壊れた陶器を漆や金で修復する伝統技法「金継(きんつ)ぎ」を行う漆芸家の男性が名古屋国税局の税務調査を受け、2021年までの5年間で約3億3千万円の申告漏れを指摘されたことがわかった。
金継ぎ教室の講師や監修などで得た収入を申告していなかった。一部は悪質な課税逃れに適用される重加算税の対象とされ、追徴税額は約1億7千万円に上る。
この男性は一般社団法人「漆芸伝承の会」(名古屋市守山区)を主宰する栗原蘇秀(そしゅう、70)=本名・栗原義博=氏。
栗原氏は取材に「既に期限後申告し、納税した」とした上で、「確定申告があるのは知ってたけど、さぼった。仕事が忙しかった」と話した。
漆芸伝承の会のホームページ(HP)などによると、栗原氏は1970年に石川・輪島で漆塗りなどの技法を学び、85年に独自の技法を確立。
以降、作品を展示会で発表する傍ら、朝日カルチャーセンターを含む複数のメディア系の文化教室などで金継ぎの講師を務めるほか、弟子を講師として派遣するといった監修をしていた。
関係者によると、栗原氏は金…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル