岐阜市の中学3年の男子生徒が7月に転落死した問題で、第三者委員会は1日、男子生徒が金銭を要求されたり、たたかれたりするなど約30件のいじめ行為を受けていたと認定した。これらは亡くなるまでの約1カ月間に集中していたが、いじめがあると気付いた教員はいなかったという。委員会は今後、いじめと転落死との因果関係などを調べ、年内に報告をまとめる。
第三者委は生徒や教職員らへの聞き取り調査をもとに、直接目撃された行為だけをいじめと認定した。マンガを要求される、嫌いな給食メニューを押しつけられるといったいじめ行為もあったという。
市教育委員会の発表などによると、同級生の女子生徒が5月31日、男子生徒が受けた仕打ちを日時とともにメモに記して担任教諭に渡した。担任はその日のうちに関係する生徒らを呼び、嫌いな料理を押しつけたことについて指導したとされる。第三者委が認定したいじめ行為は、このころから男子生徒が亡くなるまでの約1カ月間に集中している。6月中旬に別の生徒も「男子生徒が嫌な思いをしているのではないか」と校内アンケートに書いたが、学校はこの情報も生かすことができなかった。
第三者委の橋本治委員長は「教員がいじめに気づけなかったことが(いじめが)重くなった理由の一つ」と指摘。複数の教員のミスや連携不足があったとみて、今後、学校の対応を検証する。
生徒の自宅からは、いじめを示唆するメモも見つかっており、委員会は22日の次回会合で、いじめと死亡との因果関係を話し合う。(高木文子)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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