鉄刀に象眼文字で干支の「甲子年」 紀元604年制作か 熊本で発見

 古墳時代の横穴墓群があった熊本市中心部で出土した鉄刀に、紀元604年の干支(えと)とみられる「甲子(きのえね)年」の象眼文字が見つかった。銘文を刻む古墳出土の剣や刀は全国で10例に満たず、古代国家の成り立ちや社会構造、地方支配の実態を解明する資料となる。

 熊本市と熊本大学が27日に発表した。鉄刀は昨年、熊本城内のNHK跡地を調査した際に見つかった。

 全長約55センチでさびに覆われ、X線CTスキャンで透視すると「甲子年五」を含む6文字が浮かんだ。続く2文字は不鮮明だが「月」「中」とみられ、製作時期らしい。鉄刀の形状などから、「甲子年」は604年である可能性が高いという。表面を彫って金属を埋め込む象眼技法で、材質は今後調べる。

 604年は飛鳥時代が幕開けした推古朝のころ。奈良・飛鳥地方に都が置かれ、国家の確立に向けて大和政権は全国支配を進めつつあった。熊本市は中央政府から地元の有力豪族に贈られた鉄刀とみている。

記事後半では、今回の発見について編集委員が読み解きます。

 象眼銘入りの刀剣は「日本書…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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