9月9日に千葉県に上陸した台風15号の影響で同県市原市のゴルフ練習場「市原ゴルフガーデン」の鉄柱が民家に倒れた問題で、東京都江戸川区の解体業者「フジムラ」が28日、鉄柱の撤去を始めた。撤去は12月中旬ごろまでに終わる見通し。一方で、ゴルフ練習場側による被害住宅の補償問題は進展がない状態が続いている。
フジムラによると、倒れた鉄柱は引き上げたり切断したりし、ゴルフ練習場内に引き込む。この日は、クレーン車8台を用いて倒れた鉄柱14本のうち2本の撤去が行われた。
台風の通過でゴルフ練習場の北西側のネットが強風にあおられ、ネットを支える、高さ30~40メートルの鉄柱が隣接する民家に倒れ、住宅内にいた20代の女性や当時生後3カ月だった男児が軽傷を負った。市原市によると、住宅の被害は全壊11軒、大規模半壊1軒、一部損壊が7軒に上った。
撤去をめぐっては、フジムラが無償で作業を行うことを申し出ていた。ただ、同社が提出を求めた同意書に撤去作業中に住宅や車にさらなる損害が出ても賠償しないことが盛り込まれていたことに一部住民が反発。その後、同社が、ゴルフ練習場側が保険料を負担する形で損害を賠償する保険に加入する方針を示したため、関係する全27世帯の同意がそろい、今月15日から撤去に向けた準備作業が進められていた。
一方、住民らが気をもむ家屋の補償問題については進展が見られていない。住民らは「鉄柱の基礎があまりにも弱い」「(強風に備え)ネットを下ろせるような設計にすべきだった」としてゴルフ練習場のオーナーに賠償を求める方針だが、ゴルフ練習場側の弁護士は、倒壊は自然災害によるものだと主張し、住宅の補償について具体的な説明はしていないという。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース